オラクルマスター(オラクル・データベース認定技術者)


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(リンクはMCSDの方にまとめてあります)


What's New?

(2003/03/16)ずいぶんと間が開いてしまったのですが、9i新機能試験を受けてきました。今回はアメリカでの受験になったのでいろいろ心配でしたが、なんとか合格です。なお、アップデートしきれていませんが、試験内容がずいぶん変わったようです。必ずOracle社のページで確認を取ってください。

(2001/11/17)9iが出てしばらくしたので、思い切って8iにアップグレードしてきました。これでしばらくは宿題が無くなった^^。アップグレード試験は勉強は面倒ですが合格点は低いので、迷っている人は思い切って受けてみてはいかがでしょう?

(2001/8/7)いや〜、一年ぶりの更新だぁ。内容も古くなってますねぇ。今年の4月に受けていたDBA (Oracle 8i)の記述を追加しました。また、今回はTACでやっている通信講座を使ってみました。講習に行くお金は無いが自習だけでは続かなさそう、なんて方にはお勧めです。

(2000/7/13)ベンダ試験MLに協賛を始めました。このページを参照してください。

アクセスログを見ると、検索エンジンで「オラクルマスター」を探してここにきてくださる方が多いようで、ありがとうございます。このたび、晴れてOCPを取得することができたので、それに関する記述を更新しました。


What is Oracle Master / Oracle Certified Professional ?

 オラクルマスター(オラクル・データベース認定技術者制度)とは、その名の通り日本オラクルがOracle製品に関する技術者を認定する制度です。このオラクルマスターという言葉は、制度自体の名称だけではなく、認定者を指すこともあります。詳しい内容についてはオラクルのホームページをご覧ください。
 従来はベンダ試験でもっとも難しいと言われていたのですが、何度かの制度改正で部分合格者を認定する入門資格が出来たため、かなりとっつきやすくなっています。そのせいか、受験者数も急増しているようです。さらに、1999年1月から、世界共通資格のOCP(Oracle Certified Professional)との相互乗り入れが開始されました。
 この資格、研修の受講がかなり合格率に関ってきますが、自習の方法なども含めて簡単に解説してみたいと思います(言い添えますと、きちんとマニュアルを揃え、社員に講習をきちんと受けさせる会社の社員が合格に圧倒的に有利だということは、決して悪いことでは無いと思います)。


What is Changed for Version8?

新制度への変更点は以下の通りです。


SQL (1Q0-005)

 制限時間30分、全20問、合格点 14点のところ、18点で合格でした。
 Oracle入門と同時に受験しましたが、講習を受講して、何度かテキストを復習しておけば楽勝でしょう。テキストに書いていない範囲もわずかに出題されますが、合格に関係するほどではありません。
 ただし、入門とはいえ、結構出題される範囲に癖があります。講習テキストを持っていないと、どの分野に手を付けてよいか分からないということになりかねません。そこで活用したいのがCBT(コンピュータ使用の自習教材)です。Oracle Masterを受験しようというからには、当然Oracleのサーバ製品をお使いと思います。その製品パッケージの中に、「ORACLEデータベース入門」というCBTが入っており、それらが「SQL」「Oracle入門」の試験範囲に該当します。このCBTで範囲をつかみ、マニュアルで知識をフォローしておけば、充分に合格することができると思います。


Oracle入門 (1Q0-006)

 制限時間30分、全20問、合格点 14点のところ、19点で合格でした。
 解説は「SQL」に同じです:-)


PL/SQL(1Q0-007)

 制限時間30分、全20問、合格点 14点のところ、16点で合格でした。
 このあたりからだんだんと難しくなってきますし、またテキストからも離れてきます。逆に、実務でバリバリ使っている方なら、講習を受講できなくても余り不利にはならないかも知れません。
 細かい命令の使い方などを突かれるかと思い、そのつもりで準備をしていったのですが、予想に反して制御構造などの文法面の比重が多かったため、面食らいました。逆に言えば、ヘルプを見ればその場で解決するような問題はあまり出なかったわけで、良問と言えるかもしれません。PL/SQLを使い込み、内部動作にもあれこれ思いを致すことが、最善の受験対策でしょう。


DBA I(1Q0-008)

 制限時間30分、全20問、合格点 14点のところ、16点で合格でした。
 受験範囲は今までの試験に比べて一気に膨らみます。前半のヤマと言ってもよいでしょう。講習を受講しないと範囲の絞り込みは難しいのですが、この試験を受けるレベルの人ならあまり関係無いかな(ただし、開発系の方が受験しようとするなら、講習を受けておくべきだと思います。それが無理なら、CBT「Oracleデータベース管理」を入手してトライしてみましょう)。
 レベルはそこそこ高いです。講習テキストを読むだけではなかなか歯が立たないでしょう。製品マニュアルをきちんと読んでおくことが合格に不可欠だと思います。


Platinum 7

50点満点・合格点40点のところ、三回目の受験で43点で合格しました。

各受験での項目ごとの明細は以下の通りです。

科目11/411/1011/15
DB管理II70%75%85%
バックアップ・リカバリ80%66%80%
分散データベース80%86%93%

以下、準備・感想などを書きます。

準備

あちこちで散々悪い噂(笑)を聞いていたため、とにかく関連する機能に該当する部分のマニュアルを読み漁りました(今回の範囲は研修に行ってません)。困ったのは、バージョンごとに改定を重ねてきたためか、マニュアルのくせに項目ごとに微妙に記述がずれていたり、知りたい部分がぼやかして書かれていることです。結局、市販本を買ったり、コマンドリファレンスと付き合わせたり、もちろん実際に動かしてみたりといったいろんな手間が出てしまいました。

まとめた結果は30ページほどのレジュメにして、ずっと持ち歩いて読み込んでいました(HTMLで作りましたのでアップしました。Platinum7サブノート)。
なお、範囲を確認するにあたって、小屋敷さんのページをとても参考にさせていただきました。

感想

二度も落ちておいて何なんですが(苦笑)、正直なところ、初めて問題を見た感想は、「あぁ、とりあえず準備はこれでよかったんだな」というものでした。実際、自分で作ったレジュメの内容を完全に覚えていればギリギリで合格できたと思います。ほとんどが試験の範囲のマニュアルから出題されていましたし、その意味では、MCPのWinArchやVisual InterDevの方が大変ではありました。

が、やはり非常に細かいところから突っ込んできました。全体の印象として、

という問題配分で、その意味ではよく考えて作られているのかもしれません。

さぁ、年内には「Oracle8新機能」に合格しないと(っていうか、年内に終わらないと無くなっちゃうんだよね:-)


8 新機能

800点満点・合格点620点のところ、740点で合格しました。

項目ごとの明細は以下の通りです。

セクション正答数/問題数
パーティションの使用:概念3/3
パーティション索引4/4
パーティション表/索引に関するコマンドとガイドライン3/4
INSERT, UPDATE, DELETE の各 DML のパラレル化6/6
新しい ROWID の構造4/4
オブジェクト・リレーショナル機能3/3
ラージ・オブジェクトの管理4/4
Oracle アドバンスト・キューイング4/4
新機能の使用3/5
Recovery Manager の概要4/4
Recovery Manager でのカタログ・コマンドおよびレポートの使用5/6
Recovery Manager での RUN コマンドおよびスクリプトの使用4/4
ネットワーキングのための拡張機能3/3
パスワード管理2/3
サーバーおよびアプリケーションの移行3/3

今回は、主にOracle8ファーストガイドを使用しましたが、上の項目明細をごらんになるとお分かりのとおり、この本がカバーしていない科目が多くあります。実は8のマニュアルは7のように自由に読めるというわけには行かず、結果、足りない機能は手元の資料からの拾い読みとなりました。

あと、今回使用したのは STS(Self Test Software)の教材だったのですが、実はこれが余りに「まんまぁ」で、なんだかカンニングをして合格したような後味の悪さが残りました・・・。贅沢な悩みかも知れないけど。


DBA (Oracle 8i)

ちょっとした訳があり、Oracle 8i新機能ではなく、この試験を先に受けることになりました。今回は、64点満点・合格点42点のところ、50点で合格しました。

項目ごとの明細は以下の通りです。

セクション正答数/問題数
Oracleアーキテクチャ4/4
Oracle Server スタートガイド2/2
Oracleインスタンスの管理4/4
データベースの作成1/2
データ・ディクショナリ・ビューと標準パッケージの作成3/4
制御ファイルのメンテナンス3/3
REDOファイルのメンテナンス3/5
表領域とデータ・ファイルの管理4/7
記憶構造3/3
ロールバック・セグメントの管理3/3
表の管理3/4
索引の管理2/2
データ整合性の管理1/2
データのロード2/3
データの再編成1/2
パスワード・セキュリティとリソースの管理3/4
ユーザーの管理3/3
権限の管理1/2
ロールの管理1/2
各国語サポートの使用3/3

以前から「Oracle8i以降のDBA試験は難しくなった」という話は聞いていたのですが、確かに範囲も広く試験のレベルは上がっていると感じました。ただ、DBAとして必要な知識が完結した試験になり、Platinumと切り離した形でも価値があるようになったのは、非常に良いことだと思います(つまり、GoldレベルでDBAとして完結したスキルを持つエンジニアとなり、Platinumレベルは分散処理などの特殊スキルを持つエンジニアということ)。

今回は、TACでやっている通信講座のテキストを中心に勉強しました。これの「補足ガイド」は結構いいですよ。研修は高いけど自習だけだと続かないかも・・・と思っている方にはお勧めです。


8i新機能 (Oracle 8i New Features for Administrators)

60点満点・合格点36点のところ、47点で合格しました。

項目ごとの明細は以下の通りです。

セクション正答数/問題数
1. データベースにおけるJava1/2
2. オプティマイザと問い合わせの改善2/4
3. サマリー管理4/4
4. 索引と索引構成表5/5
5. パーティションの基礎的概念2/2
6. パーティションのメンテナンス操作0/1
7. コンポジット・パーティション3/4
8. パラレルDLL、パラレルDML、およびパラレル問い合わせ3/4
9. インストール、構成、および移行4/4
10. 表領域の管理5/5
11. データベース・リソース・マネージャ1/3
12. その他の管理機能3/4
13. 可用性/リカバリ関連のその他の機能7/8
14. Net8の機能2/2
15. SQL*Plus、PL/SQL、および各国語サポート2/4
16. データベース・セキュリティ2/3
17. 制約1/1

今回はあまり準備期間が取れず(10日ほど)、教材を集中して読み込み、STSの模擬テストで確認するという形になりました。利用した教材は以下のようなものです。

Oracle8iマニュアル (PDFファイル)
TechNetのサイトから無料でダウンロードできるようになったので、もう「マニュアルは買えない」という必要は無いですね;-) 分かりにくいところがあっても原点に戻って確認ができるのはとても安心です。
Oracle8i詳細技術解説講座 (SRC)
いろいろなサイトで「受験の基礎資料」とされている書籍。確かにこれを読まないとカバーできない知識は多いし、マニュアルをじかに読むよりは楽なんだけれども、それでも分厚すぎるのがちょっと辛い(模擬テストをやってると読み飛ばしてよいところは分かるけど)。なんせ、電車の中で読めないからね。あと、移行に関する機能の記述が少ないのも難。
Oracle8i最新テクノロジガイド(ASCII)
買った後で、8のときに使った「Oracle8ファーストガイド」の改訂版だということに気づく。内容もあんまり変わってないし、8iで新しく出てきた機能が分りづらいのがちょっと・・・。ただ、薄いので、余裕があれば悪い本ではない。NLS関係の記述も充実。
Oracle8i移行ガイドブック<8.1.5対応> (Oracle?)
出所は不明だが、会社に置いてあった本。Oracleが直に出している本のようだが、マニュアルの一部では無さそう。新機能が手際よくまとまっているほか、名前のとおり移行関係の機能が充実しており助かった。マニュアルでは「Oracle8i移行ガイド」がこれに相当するよう。
模擬試験 (Self Test Software)
この試験にはiStudyから出ている日本語版の模擬試験があるので(ひょっとしたらSTS版の翻訳かな)、わざわざ英語の試験を買おうという人はいまさらいないでしょうが、以前に受験を考えたときに購入していたものがあったので利用しました。どうもβ版だったらしく、起動時に「保証期限が切れています」といったメッセージが出たのですが、PCの日付を変更してから起動するという強引な技で逃げてました。そのせいか、前回ほど「まんまぁ」の問題ではなかったような気がします。ただ、範囲の広い試験ですので、模擬試験は範囲をつかむのに有効だと思います。

9i新機能 (Oracle 9i New Features for Administrators)

60問の内53問採点・合格点37点のところ、47点で合格しました。初めに出たメッセージを「60問中53問で合格」と読み違え、真っ青になりましたが(苦笑、余談ですが、ベンダ試験はどんなに問題の難易度が低くても合格点が高くなると試験の難易度は格段に上がると思います)。

今回の試験には項目ごとの明細はありませんでした。その代わり、なのでしょうか。「良かったら復習してください」という項目があり、そこに以下のものが挙げられていました。

  1. Create and manage OMF files
  2. Generate HTML Reports
  3. Explain the new byte and character semantics
  4. Describe online table redefinitions
  5. Use the new LIST partitioning method
  6. Create and use bitmap join index

今回も教材を集中して読み込み、STSの模擬テストで確認するという形になりました。範囲が広く、実験環境では扱いにくいようなエンタープライズ機能も多いので、とにかく触ってみて、というアプローチだけでは済まないのではないかと思います。利用した教材は以下のようなものです。

ORACLE MASTER Platinum認定ガイド Oracle9i新機能編 (日経BP社)
最近は便利な本があるものですね…。この本の内容がきちんと理解できたら試験には合格できると思います。ただ、汎用的な解説というより、試験の設問を無理やり詰め込んだ内容ですので、ちょっとしたコメントのようなところも見落とすことは出来ません。どんな問題が出るかはSTSの試験と付き合わせれば分かります。
ORACLE9i New Features (OSBORNE)
上の本の原書かと思ったのですが少し内容が違いました。日本語版は出ているのでしょうか? もっぱら試験を中心にやっていたので、結果として上の本だけで間に合い、あまり読む機会はありませんでした。
模擬試験 (Self Test Software)
今回もSTSのお世話になりました。おそらくiStudyから日本語版が出ています。試験範囲が広いので模擬試験無しで対策を立てるのは非常に難しいと思います。

実はOracle9iには「ゴテゴテと機能をつけたり無意味にアプリケーションサーバとくっついたりでDBサーバとしての本筋から外れているのではないか」という予断を持っていたのですが、この試験で新機能に一通り目を通してみることでDBサーバとしての基礎体力も確実にアップしていることが分かりました。私と同じような理由で9iを避けている人にこそ、是非トライしてみて欲しい試験だと思います。



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